2013年7月27日土曜日

スマホでピザの大冒険 #マーケティング

先程、ドミノ・ピザが数百万円で制作したアプリで、数億円の売上貢献を得たという記事を読みました。
「数百万円で制作したアプリが数億円の売り上げ貢献」、ドミノ・ピザのマーケティング部長 
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130726/494483/

ドミノ・ピザはスマホ初期からアプリをリリースし、スマホからの注文に積極的でした。位置情報を取得して、そこにピザを持ってきてもらえるというのは、シンプルだけれども、決して簡単でないオペレーションだと思うので、その企業努力は、素晴らしいものだなと当時、強く思ったものでした。

ドミノ・ピザ専用iPhoneアプリ、GPSでピンポイント配達 野外もOK 
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/08/news055.html

そして、先日話題になった初音ミクとのコラボのアプリも、見事だったなぁと思うのです。
Domino’s App feat. 初音ミク: ドミノ・ピザを写せばARでオリジナルライブが見られるぞ!無料。 
http://www.appbank.net/2013/03/07/iphone-application/559782.php

それにしても、スマホからのオンラインオーダーの比率が20%超というのはすごいですよね!
そして、70~80%になるだろうという将来予想をしているのも、なかなか簡単にはできないアグレッシブな想定だなぁと思うのです。未来をアグレッシブに読む、というのは大事な姿勢ですよね。勉強になります・・・
2011年度には全体の7%程度だったスマートフォンからのオンラインオーダーの比率は、2012年度には17.6%になり、現在は20%を超えた。オンラインオーダー全体の割合は「将来的には70~80%になるだろう」と池田氏は予想する。 
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130726/494483/

同時に、私が面白いなあと思ったのは、デリバリーによる代引きだと、Apple税を逃れられるということでした。

iPhoneアプリ内で決済すると、30%の手数料をAppleに持っていかれてしまいます。Apple税おそるべしです。しかし、デリバリーによる代引きであれば、その心配は要りません。


Webの世界では、AppleやAmazonがどんどんプラットフォームを広げていって、オンライン決済の領土を侵食していってしまっているので、そこから逃れるには、リアルで決済するしかないのだろうなと思います。

アーティストのファングッズとか、イベント会場で売れていますし・・・

とはいえ、そんなところにも、Squareが入り込んでいるので、究極的には、私たちはグローバル企業の決済陣取ゲームからはやはり逃れられないのでしょう。


それでも当面は、アプリを集客の入口にし、集金の出口はなるべくリアルにするのがよさそうに見えます。


ドミノ・ピザの記事を読みながら、そんなことをつくづく思うのでした。


・・・と思ったら、第2弾始まっています。
うまく行ったら、すかさず二の矢を放て、ということでしょうか。
ドミノ・ピザのアプリ戦略からは、いろいろ学ぶことが多いように思います。
ドミノ・ピザ×初音ミクのコラボ再び 注文アプリが進化、ミク割、ミクボックス第2弾も 
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1307/16/news018.html


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2013年7月6日土曜日

「今でしょ!」の時代 その2 - その次に来る流行を予測 #マーケティング

この記事は「『今でしょ!』の時代」の続きです。
http://dongchuang.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html

今は、意志の強さが称えられる「意志の時代」ですお、という記事を書いたのですが、ちょうどブログを書いたタイミングで、DeNA創業者の南場さんの講演が話題になったようです。

「人や自分に向かわずに、コトに向かう」というのがメッセージらしい。
他人の評価や自分に出来る・出来ないの能力ではなく、定めた目標に純粋に向かいなさい、ということだそうです。
すごく熱いメッセージですね。
http://matome.naver.jp/odai/2137283171836034701

このメッセージを実録したNaverまとめ記事が、あっという間に10万PVを超えるというのは、多くの方の共感を集めたのだと思います。

これも「意志の時代」だな、と思うのです。

こういうとき、とかく人間は、猪突猛進になりがちなので、うだうだ考えすぎるのもNGですけど、何も考えずにやっちゃうのも危ないので、考えられる限りは考えて、実行して、軌道修正する、という基本に徹したいなぁーと思います。
「コトに向かう」というのは、そういうことだと思いますので。

時流に乗るマーケティングをするならば、「意志」をキーコンセプトにしますが、先取りマーケティングをするならば、「知性」をキーコンセプトにすると思います。
人は、勢いづいてやってしまった後、考え直そうとする性質がありますからね(´・ω・`)

予測など、実に勝手なものではありますが、南場さんの講演録を読みながら、そんなことを思うのでした。


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2013年6月27日木曜日

「今でしょ!」の時代

東進ハイスクールの林修先生の「いつやるか?今でしょ!」はすごくインパクトがあります。
今年、ここまでブレークしているのは、LINEのスタンプで採用されたからなのではないかと思うのですが、そう考えると、激的に流通しているスマホアプリが流行を生み出すという、非常に現代的な現象なのですね。

それはさておき、10年以上昔、作家の赤坂真理さんが語った新聞記事のことを思い出します。詳しくは思い出せませんが、 ”時代は10年単位で動く。知の時代、人気の時代、意志の時代など、10年単位で時代の潮流が変わるものだ” というようなもので、強く印象に残ったものでした。

80年代のニューアカデミズムは知の時代の最たるものと言われていますが、今ってまさに、意志の時代だなあと思うのです。あまりにも混沌としすぎていて、先が見えない、しかし、生き抜くしかない、やるしかない…そんな時代の空気があります。

今の起業ブームもその一端かと思いますし、中高生を中心に、漫画『進撃の巨人が大人気なのも、絶望的までに理不尽な状況でも何が何でも生き抜くしかないんだという世界観が、先の見えない日本の社会の空気感にマッチしているのではないかと思ったりするのです。ホリエモン・カムバックに対して、皆が妙な期待感を持って迎えたのも、ホリエモンを「金力の人」ではなく「意志の人」として再解釈して、時代の空気に合わせて読み直した感があります。
※有名人を本来の人となりではなく、時代の空気に合わせて、解釈してしまうという性質は否めないのではないかなあと思ったり。

そんなわけで、いまは意志の時代です。人や商品・サービス、ライフスタイルをプロモーションするときは、「意志のある自分になるための生活提案」をするのが良いかもしれません。勝手な時代観かもしれませんが、そんなことをつらつらと思うのでした。

よし、意志貫徹アプリでも作るか(笑)




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2013年1月17日木曜日

高付加価値労働のみに専念するという思想は本当に正しいのか?

ある日、休暇中の後輩に、仕事を手伝ってもらいました。

オンラインマーケティングに強い彼に、ソーシャルメディアの活用方法を考えてもらい、
具体的なアクションレベルまで落とし込んでもらいました。
頼りになる後輩で、持つべきものは優秀な後輩だとつくづく思った次第です。

後輩の仕事ぶりに感心しながら気づいたのは、
彼に企画してもらったアイデアを実行するためには、
最終的に、何百回・何千回と単純な反復作業をする必要があることでした。

後輩は、「これは僕のやる仕事ではないですね」と言いました。
その意味するところは、優秀な彼は付加価値の高い仕事に専念し、
単純作業は他に任せられる人に任せるべきだという考えです。
これは、非常に経済合理的な正しい考え方です。

実際、私自身も、コンサル時代にそのような労働思想に従い、
次に就職したベンチャーでも、自分がなるべく仕組みに落として、
作業は作業が得意な人に任せるようにしていたものでした。

しかし、自分の会社のような、本当に始まりの始まりに位置するスタートアップでは、
この合理的思想は意味があるのだろうかと疑問に思うことがあります。

「何が合理的で、何が非合理かどうか以前に、とにかく自分がやらないと始まらないのが現状じゃない?」
——そんな風に思うのです。
リソースの潤沢な企業ならともかく、
いま、1人で、いろんな人の助けを得ながら回しているここでは、
とにかく自分が何でもトライし、泥臭くやるしかないのです。

そう思うと、頭で考えて仕事を割り振るというよりかは、
とにかく実行に移して、頼れるときには人に頼る、
それのみだ、とも思うのです。

組織にいた頃は、「これはやる、あれはやらない」、
と振り分ける思考がありましたが、
今は「とにかくやる」思考です。
とにかくやって、ある程度組織化したところで初めて、
「これはやる、あれはやらない」思考が意味をなしてくると思うのです。

でも、単純作業でも泥臭くやっていると、
作業の書類やデータの中から光る何かが見つかり、新しい気づきが得られます。
非合理なように見えて実は価値がある、そんな世界もあるのです。

組織化し、早く任せられる人を迎えることも大事だなと思いつつ、
作業する現場の中で多くを学べることも素晴らしいことだなと思いながら
ボタンを連打するのでした。


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